
フランスの新たなエネルギー政策「lecornu energie」とは
2026年2月、フランスのエネルギー政策は重要な転換期を迎えています。「lecornu energie」は、セバスチャン・ルコルヌ首相が推進する最新のエネルギー戦略を指し、これまでの原子力中心の方針からの変化を象徴しています。フランス政府は再生可能エネルギーの導入を加速させ、電化経済の推進を図りながら、長期的なエネルギーの多様化と脱炭素化を目指しています。
2026年2月現在、ルコルヌ首相は「Programmation pluriannuelle de l’énergie(多年度エネルギー計画、以下PPE)」を今月中に正式に発表する意向を示しています。このPPEは2035年までのフランスのエネルギー政策の指針となり、原子力と再生可能エネルギーのバランス、電化経済の進展、エネルギー供給の安全保障をテーマにしています。
「lecornu energie」の背景とその要因
ルコルヌ首相が新政策を発表する背景には、エネルギー供給の安全保障と脱炭素化を両立させるという国内外の要請があります。近年、欧州のエネルギー価格の変動やロシア・ウクライナ紛争による供給不安が深刻化し、フランスは原子力と再生可能エネルギーのバランスを取る必要に迫られています。
さらに、電化経済の進展が予想よりも遅れていることも影響しています。フランス送電網運営者(RTE)の報告によると、エネルギー消費が予想を下回っていることが明らかになり、これにより政府は陸上風力や太陽光発電の成長を調整せざるを得なくなっています。このことがPPEの策定遅延の主要因となっています。
PPEの詳細とその役割
PPEは2015年に成立したエネルギー転換法(LTECV)に基づく10年単位の基本計画であり、5年ごとに見直されます。PPEの主な内容は以下の通りです:
- エネルギー供給の安全性確保(特に電力システムの信頼性)
- エネルギー効率の向上と一次エネルギー消費の削減(特に化石燃料)
- 再生可能エネルギーの開発促進(陸上・洋上風力、太陽光、バイオマスなど)
- 電力網やエネルギー貯蔵設備の整備と需給調整
- 電化経済の推進(電気自動車の普及、スマートグリッドの導入など)
- CO2排出削減を通じた気候変動対策(2050年カーボンニュートラル目標の達成)
これらの施策はフランス本土(メトロポール)を対象としており、特に洋上風力発電の拡大に焦点を当てています。
今後の展望(2026年2月9日以降)
2026年の春から夏にかけて、PPEに基づく具体的な施策が本格的に実施されると予想されています。政府は老朽化した原子力発電所の改修や新設計画を進めつつ、洋上風力発電への投資を強化する方針です。また、陸上風力や太陽光発電は地域特性を考慮した適正評価に基づき慎重に拡大される見込みです。
電化経済の推進に向けては、産業界や自治体との連携が強化され、電気自動車の普及促進やスマートグリッドの導入、エネルギー効率化施策の強化が進むでしょう。さらに、政府はエネルギー分野のイノベーションを推進し、水素エネルギーや蓄電技術の実用化に向けた研究開発支援を強化する考えです。
豆知識・注目ポイント
- PPEの法的根拠:PPEは2015年の「エネルギー転換のためのグリーン成長法(LTECV)」に基づき、エネルギー政策の10年計画として法的に義務付けられています。
- 洋上風力発電への注力:近年のPPEでは、洋上風力発電が再生可能エネルギーの中心的な柱として位置づけられており、2026年以降は特に投資と開発が加速すると予想されています。
- 社会経済的影響の緩和策:エネルギー価格の変動による国民負担増加を抑えるため、政府は補助金や税制優遇、価格調整メカニズムの見直しなどの対策を講じています。

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